技術部ニュース No.2

抵抗特集①<抵抗のカラーコード>
こんにちは。
こんにちは主任。
今回は抵抗の話からです。抵抗のカラーコードを知っていますか?
リード線の抵抗の本体にカラフルな線が帯状に何本か表示してあるのは知っています。
そうです。これがカラーコードで、各色に意味があります。
何色あると思いますか?
数字は0から9までで表現できるので、10種類ですか?
それに金と銀を含めて12種類です。カラーコードが表現しているのは主に抵抗値と許容差で、4色使用します。
2色で抵抗値の有効数字、3色目が有効数字に乗じる10のベキ数、4色目が許容差です。
例えば、茶・黒・橙・金というカラーコードの抵抗は10kΩとなります。
E24系列までは抵抗値2桁で表現できますが、E48系列以上の精度の高い抵抗は6色で表現します。3色で抵抗値有効数字、4色目がベキ数、5色目が抵抗値許容差、6色目が抵抗温度係数です。これはJIS規格で定められています。
覚えるのが大変です。。。
色については覚え方があって“黒い礼(0)服 小林一(1)茶 赤いに(2)んじん み(3)かんはダイダイ 四(4)季(黄)の色 五(5)月ミドリ 徳川無(6)声(青) 紫式(7)部 ハイ(灰)ヤ(8)ー ホワイト(白)ク(9)リスマス”というのが一般的にあるようです。この辺は学校では教えてくれない部類になりますし、6・7あたりは肌に合わないと言うこともあって、私の場合は語呂合わせを自分で作っています。『黒ちゃんが赤橙に黄緑青紫灰色白』と数字の順にリズミカルに。
黒ちゃんの方が覚えにくい。。。
自分なりに工夫することが重要です。
でも最近はリード線の抵抗をあまり見なくなりました。チップ抵抗もほとんど角板型で数字が印字してあります。
そうですね、肉眼で見えるのは2012サイズ位までで、1608サイズはルーペが必需品になります。見えにくいといえば、カラーコードも茶と橙、青と紫など区別しにくい場合もあります。わかりにくい場合はやはりテスターで測定しないと不具合の元です。
カラーコードは抵抗だけでなくいろいろな用途に使用されています。似たものではコイルやコンデンサのリード線タイプで使用されていますし、電子部品だけではなく生活の中にも使用されていることがあります。
   
“ジェイモス”って何ですか?
“ジェイモス”という言葉を聞きましたが、“エヌモス”や“ピーモス”と同じ半導体の仲間なのですか?
“J-MOSS”は“nMOS”や“pMOS”とまったく異なり、環境に関する日本工業規格の一種です。
JIS C 0950の「電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法」のことを通称で“J-MOSS”と呼んでいます。
エアコン・パソコン・冷蔵庫・洗濯機・テレビ・電子レンジ・衣類乾燥機の7品目について定められています。
“J-MOSS”ではこの7品目目に特定の化学物質(水銀・鉛・カドミウム・ポリプロモフェニル(PBB)・六価クロム・ポリプロモジフェニルエーテル(PBDE)の含有率が、定められた含有基準値を超えている場合には、その情報を表示する方法について規定しています。“J-MOSS”では特定の化学物質が含有する場合にはオレンジ色の含有マーク、含有していない場合には緑色の非含有マーク(グリーン-マーク)を表示することになっています。
“J-MOSS”は2006年7月からスタートしていますが、含有物質を含まないものづくりに成果が期待されています。
エルテックでも環境への取り組みとして鉛フリーはんだの実装ラインを導入していますね。

そうです。今日環境対応が必要になっていますが、安心してお任せいただけると思います。
ちなみに“nMOS”は、金属-半導体酸化膜-半導体の三層構造(MOS:Metal Oxide Semiconductor)になっている半導体のうち、電子が電流を運ぶタイプのものです。電子は負(negative)の電荷を持つため、このように呼ばれます。正の電荷を持つホールが電流を運ぶタイプのものは、“pMOS”(positive MOS)と呼ばれます。nMOSとpMOSを組み合わせたものをCMOS(complementary MOS)と呼びます。
   
“nanaco”カードってどんなもの?
セブンイレブンでnanacoカードが使えるようになりました。SuicaやEdyとは違うのでしょうか?
同じようで違うのが、nanacoカードです。ハードウェア技術的にはこれらのカードは同じですが、アプリケーションが違うということになります。
これらのカードで使用されている技術はFeliCaというSONYが開発した非接触ICカード技術です。非接触ICカード技術は他にフィリップスがMIFAREというカード技術を持っています。
これらは国際標準化されています。
カードの技術で見ると使用している回路や、使用している周波数13.56MHzは同じです。
カード自体が同じなのにアプリケーションがちがうというと、どういうことなのでしょうか?
それぞれのビジネスモデルが違うために、カードのビジネス管理をしているソフトウェアが異なるということになります。ソフトウェアでカードの中身を瞬時に読み取り、使用できるカードかどうかを判断します。
また、携帯電話で使用するナナコモバイルやモバイルSuicaなどは、携帯電話のハードウェアは同じですが、携帯電話にインストールするソフトウェアによって、nanacoの機能を持たせたり、Suicaの昨日を持たせたりできるのです。
使うときに音がしますよね?
お金を決済するときに、Edyであれば“シャリーン”、nanacoは“ピュリーン”と音がして、決済完了を知らせます。自動販売機用のEdy端末の開発者に聞いたところ、Edyの“シャリーン”という音の再生音に関しては、さすがSONY、音への注文が多かったようです。
カードのリーダライタにはマイコンが入っていそうですが、カードの中身ってどうなっているんですか?
カードの中にはアンテナとICチップが入っています。搬送波は13.56MHzと無線では比較的周波数が低いので、ループアンテナを使用します。カードの外周に沿って、ループアンテナが内臓されています。このアンテナでICチップを駆動する電力供給を受けつつ、212Kbpsのデータ通信も行っている優れものです。
時々、タッチアンドゴーって聞きますけど、タッチしないといけないのでしょうか?
Suicaが利用される駅の自動改札、特に日本の首都圏では、ラッシュアワー時に自動改札機1台で1分間に80人分の処理をしなければなりません。非接触ICカードでは0.1秒あれば、カード検出-相互認証-データ読み書きが可能です。ただし、安定して通信できる距離が半径役10cmということになりますので、少しでも長く所定の位置にカードが滞空するようにタッチアンドゴー方式をとったそうです。
非接触カードってスゴイですね!
そうですね。ただ、最近思うのは、クレジットカードやポイントカードも含めると、財布の中身がカードでいっぱいで、トランプの束を持って歩いているようでズボンのポケットが。。。。
主任、少し痩せた方がいいですよ!
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