技術部ニュース No.1

こんにちは主任。
エルテックに技術部ができ、また、人も増えているのでエルテックニュースとして紹介していきたいと思います。
どのような内容にするのですか?
まず、2006年11月に技術部が新設されましたので、その内容を紹介します。
技術部は群馬にあるんですよね?

エルテック本社は横浜市新羽町にあり、都会にしては自然の豊かな所ですが、技術部のある群馬県伊勢崎市も自然に恵まれた所です。近くには富士住工・伊勢崎工場、サンデン本社、華蔵寺公園があります。群馬県は前記の会社のように自動車産業が発展し、また、ルネサステクノロジや三洋電機等大きな半導体メーカーもあり、群馬県あげてアナログ技術産業に力を入れている地域です。技術部でもデジタル時代だからこそ重要となるアナログ技術に力を入れた業務展開を進めてゆきます。

本社の販促グループでは電子部品やユニットの仕入れ、製造グループでは基板の実装や製品の組立をしていますが、技術部ではどんな仕事をしているのですか?

一言でいえば、電子制御装置の開発をしています。今まではエルテックは部品仕入れ、お客様の図面に基づいて基板を実装し完成品を提供する、物品販売と基板実装の会社でしたが、設計・開発機能を持つことで電子ユニットの企画から設計、実装、販売までのトータルなEMS事業を展開できる会社となりました。小さな組織で始めていますが、それゆえに小回りのきくところもあるので、困っていることを抱えているメーカー様に是非相談にのらせていただきたいと考えています。

   
“デジタル電源”て何ですか?
先日電源システム展を見てきたんですが、不可解な言葉がありまして。。。デジタル電源って何ですか?

幕張メッセで開催されたテクノフロンティア2007にいかれたんですね?勉強熱心ですね。デジタル電源ですか、新しい言葉ですね。ちなみにウィキペディアで検索したらヒットしませんでした。電源こそアナログ技術の固まり!というイメージがありますから「何のこと?」ということでしょう。技術的には注目されているものの、賛否両論あるようです。デジタル電源の定義は「出力電圧の安定化や付加機能を実現するための制御部分をデジタル回路で実現する電源」ということで、通常DSPを使用して実現されることになります。電源をデジタル化することで生まれるメリットとしては、①出力電源をソフトウェアで設定・可変できる。②電源自体が管理・通信機能を持つことで、稼働時からの電源や部品の状態を監視できるということになります。
DSPを使用するのでは値段が高くなりますね?
その通り!DSPを動作させるための周辺回路は必要になりますし、ソフトウェアの開発も必要になります。サーバーなど信頼性が重要となる製品では、メンテナンス費用も含めて考えると、多少高価でもデジタルで制御できる電源が重宝されるようです。
エルテックでも電源を扱っていますよね?
はい、省エネ型スイッチング電源の開発・製造を請け負っています。お話したデジタル電源とはちょっと違うものですが、地球環境に優しい高効率電源で部品点数がすくなく、小型、高信頼の電源です。特に負荷率が数%での軽負荷時の効率を良くすることで待機時電力を大幅に低減しています。
   
“FPGA”て何ですか?
FPGAってなんですか?マイコンみたいなものですか?アナログのFPGAもあると聞いたんですが。
大昔は1個1個のロジックICを組み合わせて論理回路を設計せざるを得ませんでした。
PLDが登場したのは1970年代で、ヒューズによってプログラム可能なFPLAが発表され、大きく発展して行きました。
その後、PALやGALと呼ばれるデバイスが発表されPLDは集積回路技術の進歩とともに発展して行きました。
1985年にはXilinx社よりFPGAが発表され、またAltera社等からはCPLDが発表され、この2つのデバイスが現在の主流になりつつあります。これらのデバイスの区別は難しいですが、構造や規模により、小規模なものをSimplePLD、やや大規模なものをCPLD、大規模なものをFPGAと呼んで良さそうです。1970年代のゲート規模は数十でしたが、1980年代に数百、90年代に数万、2000年代では数百万ゲートになっています。また、動作速度も数百MHzのものも登場し、パッケージもBGAを採用するなど現在の半導体技術の集大成となっています。
マイコンとは違うのですか?

マイコンとPLDやFPGAとの決定的な違いは、マイコンはプログラムを設計するのに対して、PLDやFPGAは論理回路を設計するという部分です。しかし、PLDやFPGAは論理回路として動作しますから、プログラムの順番に動作するマイコンとは異なり、高速処理に向きます。
しかし、高速動作、高集積化することで開発に時間がかかるようになっており、各ベンダーから回路構成をIPの形で提供するようになってきています。
また、最近の動向として、チップ内の消費電力を部分毎に最適化して低消費電力化したり、高速シリアルインターフェースの消費電力を低減したりして電源への負担を軽くする、また、マイコンをIPとし実現したり、フラッシュROM搭載したりして、ユーザーに使いやすいものになってきています。